VAMPIRE MUSEUM     


神魔ノ旅宿




何でもカタカナにすれば、それっぽいと思ってます。


年が明けて間もない頃。

死無(以下、し)「ねぇねぇ!みゆ〜〜ッ!!」

美夕(以下、美)「どうしたの?死無」

し「朝おきたら枕元にこんなのが」



あ〜。そもそも神魔って朝起きるのかな、とか枕使ってるのかなとかは気にしちゃだめです。使ってます。

死無がペラリとした紙を美夕に見せた。



美「??・・・「この度、新たに当館では、お客様に対するサービスの

  一環として、オーナー爛火による琴の演奏「春風の旋律」

  コンサートや、温泉の改築やサービスを増強致しました。

  是非あそびに来てください。

  日ごろの疲れを取るには最適!神魔だって休息したい!

  そんな時に二層のアミューズメント健康ランド旅館!


  御泊所、『神魔ノ旅宿(たびやど)』まで!!


  ・・・お問い合わせは……ってナニ?これ?」


まるでダイレクトメールだった。しかも性質の悪い。意味の薄っぺらいどこでも突っ込めるような事であった。

突っ込めるところが多すぎてどうツッコミいれていいか惑うほどに…


し「なにって?爛火の旅館だよ?」

当然の様にいい放った。

美「本当に?」

嘘を言ってる様にはみえない。

傍らに立っていた、時節柄あったかそうな格好をした白色人種っぽい仮面男が口を開いた。

ラヴァ(以下、ラ)「聴いた事があります。二層の者達が経営している

          休息の場が在るという話を」


自然に言い放った。世の中ってワカンナイもんである。


し「いこうよ♪美夕」

美「え、ええ」

チョットだけ動揺していた。

当然であろう。


・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

第二層に向かう。いや着いた。

いいんですよ。神魔だしね。

ラ「ここが…旅宿」

美「ほんとに在った……」

し「だから、あるってばぁ〜。携帯にメールがくるのよ」

美「け、携帯?」

ワリと動揺した。アタフタとオロオロの中間ぐらいに。

いや、わからいではない。だって、神魔の会話じゃないし。

イキナリ携帯だ。携帯電話だ。ハイテクだ。人間の作ったモノである。

ラ「私にも着ました。メール」

し「え?ラヴァも携帯もってるの?」

ラ「以前、人間の男にメールしましたが?」

(吸血姫美夕、単行本10巻参照)

美「あ、ああ、そうね。そんな事もあったわね」

し「それじゃあ番号交換しよぉ〜」

そういって死無はラヴァに自局番号を表示させた携帯を渡した

美「まだ持ってたんだ?」

そう尋ねられたラヴァは慣れた手つきで入力しながら答えた。

ラ「ええ、便利ですし」

し「そうだよ?結構みんなもってるのさ」

美「そ、そうなんだ」


ラ「あ、はい、これです」

携帯をサラッと操作し、メールの画面を呼び出して見せる

美「へぇ・・・、この上の棒は?」

ラ「アンテナと、横のは電池残量です」

美「アンテナ?」

ラ「そうです」

美「…神魔界(二層)とかでも届くの?」

し「とどくよ?」

美夕が再び覗きこむと右上にアンテナのグラフィック、そして隣には三本棒が立っていた。

すごいぞ!!地下とかビッ○サイトとか埼玉の家とかは届かないのに!!

第二層ではバリバリ三本であった。

広告材料にすればきっと売り上げだって多少はあがるだろう。多分。




というわけで、

一郎(以下、一)「「いらっしゃいませ〜」」


絶句していた。美夕もラヴァも死無も

美「い、一郎、お久しぶりね」

さすがは主人公である。この状況に突っ込み一つ入れない無情さなどたまらない。


ラ「牙…分身」


いや、その通りだった。一郎が何人にもなる。

一部の方が

『きゃ〜一個ちょ〜だ〜い♪可愛い〜〜ぃぃ〜♪』、な

ノリになりそうな本来は結構大変に疲れるだろう彼の奥の手な技である。


ラ「しかし、何故技まで使って出迎えを?」


流石はクールな仮面キャラである。よく見れば、向こうで一般神魔?を接客している一郎、

荷物持ちで部屋まで案内している一郎、女性神魔の方々に揉みくちゃにされている一郎。

などなど。一体何匹にまで分身したのか解らないぐらいに一郎である。


美「あ、案内してくれる?一郎」

一「はい、お客様、お荷物は…」

美「一郎?」

一「お客様?」

ラ「美夕、一郎の様子が変です」

確かに変だった。まるで自分の意思を押さえ込んでいるような

それでいて、勘違いしそうなほどの満面の笑みを浮かべていた。

し「…教育された?」

死無は感づいた。そのプリティな体躯で探偵の様なポーズを取っている。

その仕草は少年のフリして大人のアラばかり探る短パンがよく似合う某探偵の様だった。

美「一郎…何してるの?」

再度美夕が尋ねるものの、反応は薄かった。変わらずも

就業時間が丁度真ん中っぽい辺りの、微妙に救いのない時間のバイトの

ネェちゃんが浮かべるスマイルを浮かべていた。


一「え〜っと」

一郎は名簿の様な紙を見てようやく旧知の知人である事に気がついた。

一「あ、ああ美夕達も来たんだ」

美「ええ」


ようやくホッとした笑みを浮かべた。一郎の笑みは美夕達にも伝染した。


し「ところで…なんで牙分身までしてるんだい?」

一「美夕、何、これ?」

し「!!」


このふたりの神魔、面識無い(はず)だから


一「ま、いいけど…ペットも同伴オーケイだし」


流石は神魔のための館であった。

他にも水の中に部屋があったり、適度なライティングがされた部屋があったり、ペイントがオカシイ部屋、呪詛が貼りこまれてそうな部屋。

人から見れば世界不思議部屋博物館といったところである。


し「ペット何かじゃないやい!しつれいなヤツだね!」

一「はぁ…じゃあ…なに?」

し「くぅ〜!!…このガキ、あたいを怒らせるとどうなるか

  思いしらせてやろうじゃないか!」

一「なんだ…やるのか?」


無茶苦茶機嫌が悪かった。両者とも。

さながら怒った客とバイト時間が終わってまで小言言われて腹を立てる大人の世界に揉まれきれていない幼めのニィちゃんの構図だった。

かくして脈絡とか一切無視したとしか言い様がなく、全く無駄な戦いが始まろうとしていた。


一「たかが、げっ歯類に負けるか!!」


言って腰を捻り攻撃の予備動作、牙走りの構えをとった。


し「けっ。たかがガキ犬が何をほえるんだい!」


言って《かもーん!》な構え

(中国神魔編な辺り参照、このポーズにヤられたのは筆者だけではない筈)


美「あ、一郎、うさぎならげっ歯類じゃなくって重歯目よ?」


どう考えても、アラ突きしたとしか思えない突っ込みを主人公がなさった。

いや、ほんとですよ。重なってるんで重歯目なんです。うさぎってば。

ねずみのげっ歯目とは一線引いてあります。うさぎ目ともいいます。

げっ歯は、ねずみ目とも言います。


し「……」

一「……」


何か間違っている様な間違ってない感じのつっこみを受けてふたりは硬直した。


し「……うさぎでもないやい…神魔だい」


美夕にすら、うさぎと思われているのかと

神魔「死無」はうな垂れた。

・・・いや、ほんとは彼女には「ぬいぐるみ」な印象が強いと思うが・・


「何をしているのです!!一郎!!」


ビクリ!!


一郎の肩が大きく跳ねた。


一「い、いえ、あの、ど、どうかお、お許しを!!」

美「爛火」

そう、着物が映える。今は館の女将さん風に立つ、二層の監視者だった普段穏やかな美貌の顔は叱りつけるそれに変わっており、余計に怖い。

今は亡き、長すらも震え上がらせるだろう表情だった。




爛火(以下、欄)「ああ、来たのですね。美夕」

美「え、ええ」


思わずどもる美夕。

流石に欄火が、この様に振舞うのには焦りを感じざるえなかった。

さながら、普段大人しく優秀なクラスメートが実はアレでコウでしたという長期な学園ドラマなストーリーではワンシーンは入るだろう

驚愕する場面なお約束にタジタジしてる図である。


いや、まぁ…五十メートルぐらいを何の予備動作もなく筆者が記述する暇すら無く一瞬で吹っ飛ばされた狼少年のありさまを見れば例え三層の神魔でも震え上がる。


ラ「美夕、落ち着いて下さい」


内心の動揺を見透かしたのか、クールな耽美の三つで木な声で諭す。

筆者の中で、もう一つ響く塩味と言うより妖かしの男な声は…ほんと、残念です。


欄「お待ちして居りました…さぁ。美夕。こちらへ」

美「はぁ…」


美夕達は聞きたい事も山一杯な感じだったが、とりあえず、ついていく事にした。




し「うわぁぁぁぁ〜」


何とも風情ある部屋であった。

表現知らないモグリな書き屋には絶対文章で表現できない美しさである。

ともかく書くなら美としか表現できない空間だった。


欄「赤の間、美夕、あなたには、この様な部屋が良いでしょう」

美「ええ」

欄「それでは、こちらが当館での注意事項が書かれた物です」

そういって巻物上の書を渡す欄火


一つ

  携帯、デジカメ、ビデオ、その他の機種での撮影は厳禁とさせて頂きます。

一つ

  姿が見えないお客様も御座います。廊下などでは走らないようお願いいたします。

一つ

  当館は指定の場所以外は全て禁煙とさせて頂いています。

  ご協力をお願いします。


等等



とりあえずゆっくりとする事にした。


その後、宿の中をまわる。

まぁ、人間界のそれとあまり変わらない。というか全然変わらない。

お金はどうするのかとか、そんな今気づいた様な細かい事は気にしちゃいけない。


で、唐突に温泉とかである。

ともかく温泉だ。

え〜、男湯の方も女湯の方もレーディングの関係で湯気が濃かったりするが間違ってもカタギのエンターテイメントではカメラアングルを絶対に間違えてはいけないスポットである。

きっと垣野内画の美麗格闘家達や某チャーマーとかならば、さぞ楽しいドつきあいイベントが組めるのだろうが、ここでそういうの全開にしたら百行は余計な偏った描写になるために喜ばれまいという理由でとりあえず入った。

と、言う事にしてもらう。


ようは浴衣にしたかっただけである。


・・・

・・・・・・・・・・・

そして、唐突に放送である。

一『腕に自信のある方、遊技場の方へお越し下さい。

 当館主催の無種属級卓球大会を開催致します♪』

美「卓球…」

ラ「出ますか?」

美「え?……どうしよっか?」

し「でるぅぅ〜」

美「出たいの?死無。」

浴衣姿の美夕が同じく浴衣姿でフルーツ牛乳を腰に当てて呑んでる死無に問うた。

し「えへへ、とくいだもん」

美「そうなの!?」

とてもそうは見えなかった様だ。お世辞にも。ぬいぐるみだし。

美「ま、いっか。それじゃあ行きましょう」

つくづく細かい事は気にしない主人公だった。




オチも何も無いままに、続くとしておく事にする。


とぅ〜びぃ〜こんてぃにゅ〜?





◆ あとがき ◆

音ノ箱庭では、くそ真面目に書きました。

ですから、今回はハッチャケましょうという個人的理由で書きました。

続くのかどうかは知りません。



     MUESUM ERIPMAV